校長室へ呼び出された二人は、顔を真っ赤にして怒っている校長から質問攻めにあっていた。

「いったいなぜ校内でこんなハレンチなことができるのだね！？」


「柳川くん・・君は優秀な実習生だ。この生徒におどされていたんだろ？」


「いつからこんな関係だったのかね？」


「だいたい、タケルくんは停学明けだというのに・・・」


ため息をつきたくなるような内容だった。


明美もタケルも何も言わなかった。

今、この状態の校長に何を言っても無駄だろうと思ったからだ。


結局、何も言わない二人にくだされたのは、


１、二人きりで会うこと・会話の禁止
２、実習クラスの変更
(３年Ａ組以外のクラスで実習すること。)

と、なった。



残り１週間の実習生活を、タケルと会話もできないで過ごすなんて・・・

せっかく自分の気持ちに気が付いて素直になれたばかりなのに・・・


明美は、タケルの方をちらっと見た。


しかしタケルは、明美と目を合わせなかった。

「今後、一切の交際を禁ずる！以上！行きなさい！」
校長室から出た二人は、別々に引き離された。
校長室の外は、たくさんの人だかりだった。