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3章:保健室
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「あら、珍しい。タケルくんだわ。」
松山先生は、にっこりとタケルのいる窓に近づき、窓の鍵を開けた。
「柳川先生に用事があるんですけど・・・」
タケルは、ちらっと明美の方を見て言った。
明美はドキッとした。
いつもの制服姿と違い、どろだらけの服を着たタケルが立っていた。
「あら、サッカー部は今終わったのかしら?」
「いや、あと片付けとか残ってる。」
タケルは適当にこたえた。
「あら、そうなの。もう7時まわったわよ。遅くまでがんばるのね。」
松山先生はそう言うと、明美に、こっちに来るよう手招きした。
明美は、なんとなく会いたくない気分だったが、しぶしぶ窓の方に行った。
「なぁに?タケルくん。」
明美は、平然を装って言った。
「俺、もうすぐ終わるからさ、ちょっと帰り話したいんだけど、待っててくれないかなぁ。」
タケルは、ちょっとてれくさそうに頭をかきながら言った。
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