夏休みに親戚の法事があり、バスケ部の夏合宿に１日遅れで合流するため、普段乗り慣れない電車に乗る事に。
駅に着くと、ちょうどお盆休み明けで朝のラッシュ時間のホームは凄い混雑だった。

間もなく入ってきた急行電車は既にすし詰め状態。
乗れるのか不安になった。

しかし、ホームの人達は慣れた感じで、どんどん満員電車に吸い込まれて行き、いつの間にか僕もその流れに溶け込むと、排水口に吸い込まれる様に電車に乗り、クルクル回転しながら車内の隅っこに追いやられた。
車内はかなり蒸して汗臭さが充満してクラクラしそうだった。
そんな中で時々ふわっと匂ってくる甘い香りに一瞬救われる気がした。

それはどうやら僕の前に向かい合って窮屈そうに立っているＯＬ風のお姉さんの髪の毛から漂っているらしかった。