20章:始動【美咲】 (2/5)

私は今、club　northに来ている


何回かホストクラブに客とアフターで来たことはあるけれど、自分の金で来るのは初めて


誘われた事もあったけれど興味が無かったし、そんな所に行く時間があるなら、海里と居たかったから断っていた


何よりも金の無駄


…今でも興味は無いんだけどね


今日来た目的は、望月真琴と接触するため


だから望月真琴を場内指名して、今、私の隣に座っている


「はじめまして…ですよね？」


何となく落ち着かない感じで望月真琴が聞いてくる


「はい。はじめましてです。ごめんなさい…優衣ちゃんが、真琴さんがオススメだって言ってたから、指名しちゃった」


「そっかー。優衣ちゃんに感謝しないとな(笑)」


そう言って、望月真琴はニッコリ微笑んだ


…シャープな輪郭に切れ長だけれど大きな目。筋の通った鼻、唇は若干薄い


整った顔をしているけれど、海里には全然及ばないじゃん