11章:撃沈【愛莉】 (2/5)

「至らないところもあると思いますが、精一杯尽くします。今日は宜しくお願い致します」


床に正座して三つ指をついて、お客様に挨拶する


「そんなに畏まらないでよ。美奈ちゃん、こちらこそ今日はよろしくね」


あたしだって、こんな事したくない


…でも、講習でやれって言われたんだもん


あたしは今、ソープで働いてる


ソープはヘルスに本番があるだけだと思ってたら、結構礼儀作法とかも厳しくてビックリした


女の人が講習するのにもビックリしたし…しかも、講習してくれたお姉様はちょっと怖かったし


あたしは、そんな事を思いながらお客様のズボンのベルトに手を掛ける


「美奈ちゃん、そんなに急がなくてもいいよ。先にちょっとお話ししよう」


ラッキー


「はい。お隣失礼しますね」


それから、お客様と色々話して、精一杯サービスした

















「今日はありがとうございました。美奈、すっごく楽しかった」


「ボクもだよ。また来るね」


「待ってまーすまたね」


時間になり、お客様を見送る


「あー。疲れた」


でも、お客様には気に入って貰えたみたい


あたしが働いてるソープは高級店だから、リピートないと稼げなくなる


ノルマは無いけど、店長にも１ヶ月で１０人戻す様に言われたし、頑張らないと