9章:ストレス【美咲】 (5/5)

「バースデーが終わったらバリかセブかタヒチ辺り旅行に行こう。１週間くらい美咲と一緒にゆっくりしたい」


同伴して、花井は私が席に着くなり言ってきた


「えっ…。でも私、ママのお世話しないと…」


花井には、病弱で殆ど寝たきりの母がいると嘘をついている


「何日間かヘルパー頼むとか、施設に預かってもらうとかは？金なら俺が出すし」


いやいやいやいや。
いくらエースでも、一緒に旅行とか無理だから


「うーん。美咲も賢ちゃんと旅行行きたいから、ちょっと考えてみるね」


そこでタイミング良くボーイに呼ばれた


花井はどんどん、図々しい発言が多くなっていて話してるとストレスが溜まる


他の客達も例外ではない


私は客達が店で落としてくれる金にしか興味が無いのに


「美咲さん、ご指名です」


見ると、村田だった


「化粧直ししてから、つくわ」


何か今日は客の顔を見るだけでイライラする


付け回しにそう言って私は更衣室にタバコを吸いに行った


あぁ、海里に会いたい