8章:日常【真琴】 (3/5)

起きると日が沈むどころか日付が変わっていた


完全に起きてない頭で携帯をチェックする


着信18件
受信メール32件
殆どが客だ


返事すんのも正直だりぃ


たいして売上にもならない細客は、連絡なんかいらねぇから、黙って店に来いと思う


でも、仕事だから俺は渋々１人１人に連絡する


電話は後回しにして取り敢えずメールを返す


その中に例の可愛い後輩からメールが来ていた


『お疲れさまです。愛莉ちゃん、無事に面接受かりました！週5で出勤するみたいっす。おめでとうございます』


「よくやった。後輩」


独り言を言いながら、メールを返信しておいた


メールも電話も一通り終わらせて出勤の準備をする


今日は、エースに店前同伴を頼んだから、ゆっくり出来る


エースは俺の立派な信者だ


何でも言う事をきくし、ワガママもそんなに言わない


長い時間をかけて、俺がそうした


他の客もこれくらい従順だと楽なのに