1章:溺愛【美咲】 (2/10)

ギラギラしたシャンデリア
大理石の冷たい床
ソファーも多分高級品


男達は自分本位に騒ぎ、女達は一生懸命媚を売る


私はシャンパングラスを片手にその光景を眺めていた


「美咲、どうした？気分でも悪いのか？」


「うぅん。ちょっと酔っ払っちゃった。てか、今日も三上社長の社員ｻﾝたちノリノリだね」


そう言って私は目の前でドンチャン騒ぎをしている男達に再び目を向けた


「若い奴等は元気だからな」


三上は苦笑いをしながら、手に持っていたグラスのシャンパンを飲み干した


「若いっていいですよね。お酒どうします？」


「美咲も、まだまだ若いだろ。ヘネシーを頼むよ」


それを聞くと私はボーイを読んで、新しいキープボトルを持ってくる様に頼んだ


「ありがとうございます美咲は来月でもう23になります。この業界では若くないですよ」


「10代も多いからな。てか今、さらっと誕生日の営業しただろ(笑)」


「えへへ」


「心配せんでも祝いに来るから」


「ありがとう！嬉しい」


「美咲さん、お願いします」


いいタイミングでボーイに呼ばれた


「えー。…行きたくないなぁ」


「まぁまぁ、そう言わずに、しっかり仕事してこい」


「うん…行って来る。すぐ戻るから待っててね」


そう言って私は三上の卓を離れた