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38章:父と息子【2】
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38章:父と息子【2】
寒さもあり、沙織と娘はそそくさとお風呂に入っていった。
体を拭き、服を着たおれと息子は、居間のテーブルで2人並んでミカンを食べた。
一生懸命皮を剥いている息子に、おれはさっきの事を聞いてみた。
「・・なぁ、かーくん。 かーくん、もしかして・・・霊が見えるのか?」
こんな事を聞くのは、実はおれ自身、昔あたりまえのように霊が見えていた時期があったからだ。
とある事がきっかけで、今は人並み?くらいしか見えなくなったのだが・・・。
かーくんは、「・・・霊って何?・・・」
と聞いてきた。
「あ、そうだな。 そんな言葉まだしらないか。 霊っていうのはね。 人の目には見えないんだよ。
でも、たまに見える人がいる。 かーくんは、ひょっとして皆が見えないのに、見える人がいたりしないかい?」
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