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10章:でびノート【10】
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10章:でびノート【10】
全身汗だくだった。
…夢。
阿部の夢…。
妙にリアルな夢だった…。
…くそぅ…一体何なんだあの夢は…。
…ん?
というか…ここはどこだ…?
…なぜオレはこんな所で寝ていたんだ…?
シャーッ。
と、突然、オレの周りを覆っているカーテンが開かれた。
「よ…よう」
開かれたカーテンの先から、【稲生 隆二(いのう りゅうじ)】が現れた。
稲生は、いつも阿部に引っ付いていた二人いる舎弟の片方だ。
「…稲生…ここは?」
「…あぁ…ここは保健室だ。
…オマエ…あの後、泡吹いて気失ったからさ…。
【宇田部】と一緒に運んで来たんだ」
【宇田部】とは、お察しの通り阿部の舎弟のもう一方だ。
「…宇田部と…。
そ…そっか…」
オレは、気を失う前の事を思い出してみた。
…阿部がオレに人参を突き刺そうとして…
…そしてその後…
…その後…阿部の体が宙を舞って…三階の金網に…。
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