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5章:吊る這う轢かれる (1/7)

5章:吊る這う轢かれる

それは、蛙とコオロギの鳴き声が響く、夏もおわりかけたある夜の出来事だった。

「……この家だってよ。出るって有名な家」

僕とKは、その二階建ての一軒家を、周りをぐるりと囲む塀の外から眺めていた。

風は存外に冷たく、そういう季節はもう過ぎたのだと感じる。なのに、僕らはまた肝試しに来てしまっていた。僕とKとS、いつものメンバーだ。

発案者はKだ。奴のオカルト熱は季節に関係なくいつでも夏真っ盛りらしい。

「二階あたりに女の霊が出るって噂。今はー……見えねえけどな。窓に映るらしいぜ」

Kの言葉に、僕は二階の窓を懐中電灯で照らした。Sはというと、道の脇に停めた車から出てこず、運転席側の窓から、右肩と頭だけを出してつまらなそうに家を眺めていた。

「おいS、出てこいよ。なに一人だけ車乗ってんだよおめーはよ」

Kが言う。Sは大きなあくびで返す。
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3人組シリーズ ©著者:hare

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