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3章:首あり地蔵
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3章:首あり地蔵
「なあ、お前ら『首あり地蔵』って知ってるか?」
数年前の話になる。僕らは当時大学三年生だった。季節は夏。大学の食堂で三人、昼飯を食べていた時だ。怪談好きなKが雑談の、ふとした合間に話しだしたのが、そもそもの始まりだった。
「首あり地蔵ってお前、そりゃ普通のお地蔵様だろ」
僕の隣に座って味噌汁をのんでいたSが馬鹿にしたように言う。KとSと僕。Kはカレーの大盛りでSはシャケ定食で僕は醤油ラーメン。いつものメニュー、いつものメンバーだった。
でも確かに。『首なし地蔵』だったならば、はっきりとは思い出せないが、何かの怪談話で聞いたことがあるかもしれない。話のネタにもなるだろう。しかし、Kは『首あり地蔵』と言ったのだ。Sの言う通り、それは首のある普通のお地蔵様だ。
「ちげぇんだよ。あのな、その地蔵の周りにはもう五体地蔵があってな。『首あり地蔵』の一体以外は全部頭がねえんだってよ」
なるほど。だから『首あり地蔵』か。僕はその様子を想像してみた。六体の地蔵の内、一体だけにしか首が無い。
「ねえ、何でそうなってんの?」
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3人組シリーズ ©著者:hare
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