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5章:無防備
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8:50 AM
(コンコンッ)
裕「亜美ちゃん、入るわよ」
(カチャ)
亜「裕美さん…おはようございます」
裕「昨日体調を崩したそうね。
大丈夫なの?熱は?」
亜「あ、ハイ…大丈夫です…熱は無いです…」
裕「そう…今日はお風呂、
止めといた方がいいかしら。
ごはんだけにする?」
亜「ハイ…」
裕「じゃ、上に来て?」
今日の朝食はサンドイッチと
湯で卵、飲み物は牛乳。
二人は寡黙に食事を進めている。
裕「…今、何を考えてるの?」
亜「え…?…えっと……家の事とか…
学校の事とか…」
裕「彼氏の事とか?」
亜「…彼氏なんて…居ません」
裕「ウッソー!亜美ちゃんカワイイのにー!?
クラスにカッコいい子とか居ないの?」
亜「…学校では、中間テストとか、
期末テストとか…勉強…しないとイケナイし、
やる事いっぱいあるし…、
友達とかの方が仲良いし……」
裕「何よー、ゴニョゴニョと…
語尾が小さくなってって
何言ってんのかワカンナーイ。
恥ずかしいんだ?好きな子居るんでしょ!」
亜「居ないですー!
学校じゃ勉強…
家じゃゲームばっかのオタクなアタシを
想ってくれる人なんて…
変わり者だと思う…」
裕「そんな事無いわよー!じゃあ、
その変わり者君の為にも絶対
生きて帰らなきゃ。んねっ!?」
亜「ハイッ!」
亜美はトイレを済ませ、寝室に戻った。
裕「じゃあ、ゆっくりしてね」
手錠で縛られた亜美の後ろ手に何かを渡し、
裕美は鍵を締め、去った。
亜(…?何…コレ……!
キャンディーだ…!裕美さん…)
0:30 PM
昼休みの廊下で、聖と杉山が
ダラダラと歩いて来た。
聖「お前そんなんばっか見てんの?
っしょーもねぇ野郎だぜ…ったく」
杉「イヤイヤイヤ…男ならよぉー、見ちゃうぜ。
見たくなんねぇ?AVぐれぇさぁ。
よぉよぉ、聖だって好きなクセによぉ〜。
ムッツリ助平コイてんなよなぁ〜」
聖「誰がムッツリだコラ……ん……?」
(ヒソヒソ…ヒソヒソ…)
杉「…あ?どうしたよ?聖」
同級生「おー…聞いた聞いた。
2-Cの女だろ?名前なんつったっけ?」
同級生「奈倉だよ、奈倉 亜美…。
俺、一年の時一緒んクラスだったけど、
超意外だよなー…。
もう学年中に広まってるぜ?」
同級生「おぉ奈倉かよ、俺も知ってる!
おとなしーい雰囲気であんま
目立たねぇ奴だったな。駆け落ちとか…
また懐かしい響きの言葉だねーっ!
今時、駆け落ちとか言うか?
昭和末期のメロドラマかっつーのwww」
聖「………。」
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