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15章:恐怖
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玄関にはポケットに手を突っ込み仁王立ちしている竜次がいる。
アヤカは恐る恐る竜次に問いかける。
「竜ちゃん、どうしてここにいるの…?えっ…いつ出てきたの…?」
竜次はドアを閉め部屋に上がり込みながら答える。
「今日出て来たんだよ、証拠不十分で釈放だよ、不起訴ってやつだよ!俺ってすげぇだろ、アッハッハッハッ」
アヤカは少し落ち着きを取り戻しつつあった。
「だったらすぐ連絡してくれれば良かったのに、どうして連絡してくれなかったの?」
「お前を驚かしてやろうと思ったんだよ!」
そう言ったあと竜次の表情が一変し鋭い表情になる。
「なぁ、ところでお前よ、こんな時間にめかしこんでどこ行くんだよ、コラァ!」
アヤカは冷静さを保とうとしながら答えている。
「お友達と約束して出掛けるところだったの」
竜次はアヤカの胸ぐらを掴み凄い顔でアヤカを睨んでいる。
「なんだとコラァ!友達って誰だよっ、適当な事言ってんじゃねえぞ!」
いきなりアヤカの顔を平手打ちし蹴り上げる。
アヤカは悲鳴をあげ床に倒れこんだ。
「おい、正直に言ってみろよ、どこ行くんだコラァ言ってみろよ、言えよおいコラァ!誰とどこ行くんだよ!」
竜次は倒れ込んでいるアヤカの体を激しくなんども蹴り上げる。
「おい!テメェ男連れ込んでたんじゃねぇのか、コラァ!」
蹴りが顔にあたる。
アヤカは口を切り血を流している。
しかし竜次は容赦なく蹴り続ける。
「男の名前言ってみろよ!誰とどこ行くんだコラァ!早く言えよ、言うまでやめねぇぞ!」
「やめて…お願い…」
アヤカは苦しそうな顔をしてうずくまっている。
「おい言えねぇのかよ、じゃあ俺が言ってやろうか、お前これから、菊水って野郎とホテル行くんだろ」
アヤカは心臓が止まる程びっくりしている。
竜次が菊水の存在を知っている。
これからホテルに行こうとしている事まで知っている。
なぜ…?
どうして…?
アヤカは頭が混乱し動揺していた。
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