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9章:留置場 (6/7)

起床時間になり周りが騒がしい。

菊水は一睡もしてないしシゴキ疲れていた。
シャブもキレかかって辛い状態だ。

昨日留置場へ連れて来た警官が菊水に声をかけた。


「今日部屋移動するぞ、昨日はちゃんと寝れたか?」


菊水は一瞬オナニーがバレたのかと思って焦ったが


「一晩中悩んで寝れなかったです」


一言そう答えた。

別の部屋の前に連れていかれる。
鍵が開けられ中に入れられた。
中には4人いた。

金髪の若い男、ごく普通のサラリーマンっぽい中年、肉体労働してそうな体格のいいオヤジ、坊主で皆に背中を向けて座ってる目つきが悪い危なそうな奴、皆法律違反で逮捕されここに来ている。

菊水はなにやらかしてここにいるんだろうと思うが黙って座っていた。

金髪の男が菊水を見ている。
話しかけてきた。


「ねぇ、シャブでパクられたの?」


菊水はうなずいただけだ。


「もろシャブやってるってわかるよ。職質でパクられたの?」


金髪の男はいろいろ話しかけてくる。
この金髪の男もシャブで入っていた。
取り調べで金髪の男が出された。
又一人調べで出される。又一人出され部屋には菊水と坊主の危なそうな男だけになっていた。
しばらく二人とも黙っている。
坊主の男が話しかけてきた。


「なぁシャブだろ、初犯か?」


菊水はうなずく。


「量は?」


菊水は押収されたシャブの量をざっと説明した。
坊主の男は話し続けた。


「初犯でその量なら執行猶予つくから心配しなくてもすぐ出れるぜ」


菊水は思わず


「本当っすか、あと一週間位で出れますかね!」


坊主の男は苦笑している。
2ヶ月半から3ヶ月位はかかると教えられる。

菊水はそういった法律知識が全くなかった。

菊水は愕然とし落ち込んでいる。
クリスマスも新年を迎えるのもお正月も塀の中だ。
菊水は、もっと早く出れると思っていたのだ。

坊主の男は起訴されると裁判がある事とか弁護士の事や、さらに取り調べではこんな事を聞かれるからこう答えろとかいろいろ教えてくれる。

菊水にとって貴重なありがたい情報だった。

この男はシャブの売人で今回が二回目の逮捕だった。
菊水はこの男に親しみを感じ名前を聞いていた。

この男は石山と名乗った。
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気がつけばモンキーマン ©著者:外蛇雲

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