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9章:留置場
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菊水は別室で刑事から話しを聞かれていた。
名前、住所、職業と又身元確認をされる。
見つかってしまった覚せい剤の事を聞かれ始める。
自分の物だと認めたが、菊水はそんな事よりアヤカの事が気になってしょうがない。
新宿に来たのはいいが会えずじまい。
今、何をしているのか
捕まってしまったのを知っているのか、
捕まっていなければ今頃キメセクの真っ最中で快楽に浸りきっているはずだったのに…
黙りこんでいた。
刑事も初犯だから悩み込んでいると思ったのか今日は詳しい取り調べはなく留置場へ連れていかれた。
鉄格子の鍵のついた部屋の前まで連れて来られた。
「こんな所に入れられてしまうのか…」
菊水は鍵のついた鉄格子を見て驚きの表情の後ため息をつき逮捕された現実を感じていた。
菊水の様子を見て警官は
「なんだお前こういう所来るの初めてか、悪い事をすればこういう事になるんだ。よく反省しろよ。もう夜中で就寝時間過ぎてみんな寝てるから今日はこの一人部屋で寝ろ。明日の朝移動するからな」
菊水は鉄格子の中に入れられた。
ため息しか出ない。
とりあえず横になり毛布の中に入った。
さっきまでアヤカの事ばかり気になっていた菊水だったが、個室で一人になると様々な事を考え始めていた。
仕事の事を心配始める。店は大丈夫か?
早上がりして新宿に来てパクられた。川島は何も知らない、明日からいったいどうすればいいんだ…
ルシアは何してるだろう。いきなりいなくなってどう思うんだ…
菊水はこの時冷静になりつつあった。
すると菊水にどうしようもない不安が襲いかかってくる。
考え出したらキりがない。
今は何もできない。
体と頭を休めようと思い眠ろうと考えた。
目を閉じ呼吸を落ち着け寝ようとする。
しかし寝れない。全く寝れない。
考えこみ不安で寝れないのか、それよりも菊水はまだガンガンシャブが効いていたからだ。
寝てないと明日は辛いだろうと思い寝ようとするが寝れない。
不安ばかり襲いかかる。落ち着かない。
だんだんイライラしてきた。怒りにハマり暴れだしたい感情になり興奮してきていた。
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