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8章:新宿
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菊水は一瞬ビックリする。
その表情を警察官は見逃さなかった。
すでに疑い始めている。警察官が菊水に話しかけた。
「ここ車停めちゃだめだよ、駐停車禁止場所だよ」
菊水は冷静を装いながら答える。
「あっすいません、すぐ移動します」
車を出そうとするが止められる。
「免許証見せてくれる?なんかお兄さん随分顔色悪いんじゃない」
菊水の顔を凝視する。
「トランクの中見せてくれる、トランク開けて!」
菊水は焦る。
次は持ち物検査をされる。
ヤバい!
警察官が又1人増える。
「お兄さん、ちょっとバッグとポケットの中出して見せてくれる、協力してな」
菊水は拒んだ。
「ちょっと待ち合わせで急いでるんでもういいですか」
逃げ出そうという気持ちでいっぱいだ。
菊水も粘り続ける。
時間はどんどん過ぎていく。
警察官が次々集まって来る。
野次馬も増えて来る。
菊水は職務質問の回避テクニックとか法律とか何も知らない。
菊水は無意識に左ポケットに手を入れ封筒を握りしめていた。
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