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10章:自分の責任です【前】 (2/9)

僕と孝哉と北村さんが会社に帰った時、事務所の外にまでフトダさんの早口でまくし立てるようなヒステリックな声が聞こえていた。


北村さんは一瞬ドアを開けるのを躊躇い、ドアノブを握ったままで何故か僕と孝哉の顔を一人ずつユックリと見て、小さく息を飲んだ。


中で何があるのか解らないけど、何か良くないことになってるのは僕にも解る。


北村さんは「よしっ」と勢いを口に出した後に、ドアを開けた。


「だってバイトの求人出てなかったでしょう!?私広告ずっと見てたけど無かったもの。知り合いにどうしてもここでバイトしたいって言われちゃってさあ。自分の身内ばっかり呼んでないで所長に聞いてくれたらいいじゃないの」


デスクに座ったままのフトダさんが伝票を手にして、興奮気味に喋っていた。


この人はいつもそうだ。


怒ってる時は人の目を見ない。
泳いだ目に何が映ってるのか解らないし、こっちの言い分を聞く耳をもたない。


相手が喋りだしたら自分の言い分をまた何度も繰り返すんだ。


普段機嫌のいいときは"害"のないオバサンではあるけど、フトダさんが"自分にたてついた"と思えばこうなる時がある。


僕と孝哉は何度も被害にあってるし、日常の会話くらいしかせずに解らないことがあっても誰か違う人に聞いたりしていた。


今回被害にあってるのは陽みたいだ。


「私に言われても困るんですよ。人事のことは口を出せませんし、弟と清水君は何年も臨時で来てますから所長に言われて呼んだんです。もしどうしてもと仰るならご自分で聞かれたら……」


陽はフトダさんに体を向けて小さな声で話していた。


「だからね!?そう言われても困るのよ。私も頼まれたから。私だって色々付き合いがあるんだし、岸本さんばっかり優遇されてるのもおかしいでしょ!?岸本さんが聞いてくれたらいいじゃないの!!ねっ!?」


他の人の仕事の邪魔にならないようにとか、陽が変な目で見られちゃうからとか、フトダさんは全く気にせずにまた同じ言葉を大きな声で繰り返していた。



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愛の夢 ©著者:心菜

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