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21章:ジゴロ
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「日本に帰国してから、すっかり昔の知り合いとは疎遠になってたから‥、ふらっとホストクラブに遊びに行ったの」
「そうなんですか」
峰がアキラくんには店以外で会った事があると言っていたのを真っ向から信じていなかった訳で、正直意外だった。
「アキラくんが出張ホストになる事になってね、それでお店の事も知って。それで平太くんのことも知る事になったのよ」
「ホストだったんですね‥」
そもそもホストが出張ホストに職を変える事に俺はピンとこなかった。何故ならば万が一俺自身がホストだったら、その道だけは絶対に選ばない気がしたからだ。峰はまだ嘘を付いている気がしてならなかった。
「なんでホストだったのに‥」
「お金が回らなかったのよ、」
食い気味で俺の言葉に被せてきた峰はいやらしい笑いを浮かべた。
「なるほど、ホストって大変な世界なんですね」
そこで妙な沈黙を置いて、峰は耳を疑う様な事を口にする。
「ホストを堕とすやり方ってね、意外と簡単なのよ」
俺はこの時心の中で確信していた。こいつは本物の悪魔だと。
「お金回らない様にして?アキラくんを出張ホストで働かせて‥?シリコン入れさせて‥?それでEDにさせて‥?」
俺はもう自分に言い聞かせる様に振り絞ってそう呟くと、全身から脂汗が吹き出して来た。
「まだそんなこと言ってるの?」
全世界が一斉にして俺を奈落の底に突き落とそうとしているとしか思えなかった。
世の中の正義って何なんだ?
そもそも俺のやってる事だって、何なんだ?
その疑問の先にある真実を俺は正確に理解しているはすだったが、あがく自分が目を背けようと必死になっている。考える事がどんどん複雑化していき、稚拙になった思考回路はどんどんと放心状態に、、目の前が真っ暗になった。
悪魔は誰だ、悪魔は誰だ、と
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悪魔の技術 ©著者:蜜々宝貝
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