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20章:蝶々結び
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「もー!私はおしまいだと言っているんだよ!平太君!」
「じゃぁ俺が腕枕したい時はしてもいい?」
「ダメ」
言うと思った。こういう時の美都さんは何でもダメ、あれもダメ、これもダメ、全部ダメ。
「じゃぁ手繋ぐのは?」
「ダメ」
「足乗せるのは?」
「重い!ダメ!!」
「おっぱい触るのは?」
「こらー!!」
もう幼稚園児がはしゃぐみたいに縦横無尽にベットの上でゴロゴロしている美都さんは自分でも何処か笑っていた。
「はー、もう疲れた。寝るよ」
そう言ってぐるんとこちらに背を向けた美都さんの腰に手のひらを当ててみる。彼女はふんっと鼻息を荒くしてその手を退けるが、その拍子に偶然を装ってこちらに身を寄せて来た。面白い。
「あのね、初めて一緒に寝た時に、私もへーちゃんも酔っぱらってたじゃない?」
「うん」
「それで私が腕枕しないでって言ったの、そしたらへーちゃんが安眠しましょーって言ったのよ」
「言った言った。でも腕枕して安眠できる方法、俺知ってるよ」
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