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21章:ジゴロ (5/9)



本来ならば相手がMと言って来たら、こちらはSだと乗っていくのが一番簡単な接客方法だと思う。しかし俺は完全に言葉を失って戸惑っていた。忘れちゃいけないのは前回この女は俺の性器にシリコンが入れられるか聞いてきた様な人だってこと。



「性癖ですか‥」



運転に少し気を取られて考えるのが少し遅れている様な仕草で時間を稼いでみた所で、どうにもならないのは頭の何処かではっきりと解っていた。峰自身に明確に求めている出張ホスト像が出来上がっていて、俺は打診されている。




「平太くんはきっとSだと思う。わたし堪えられるわ」



「S‥」



ぶわっと鳥肌が立った。それは紛れもない心からの拒否反応。ドクドクと鼓動が早くなって、今まで経験した事が無いくらいの怒りで目眩を起こしそうになった。



次の瞬間、俺は何も言わずに車をガードレールに付けて停車した。



「すいません」



これ以上口も聞きたくなかった。傲るなと言われればそうかもしれない。時計もらって運転までしておいて怖じ気ずくなんて‥。しかし、鼓動は相変わらず早く喉もカラカラだった。



単純に恐ろしかった。この得体の知れない女に金で甚振られて行く姿を想像したら一寸先は暗闇だ、大袈裟かもしれないが生死の恐怖さえ感じていた。



「平太くん?どうしたの?」



ぎょろりとした目が爛々と恐ろしい妖気を帯びて俺の顔を見上げている。人工的な睫毛をバサバサさせながら目を見開いている。しかし恐らく切りすぎているせいだろう、目の周りの筋肉さえ微動だにしていない。



優しい声色で峰は続けた。



「あなたを見た時、喫茶店で。いいなと思ったの。人当たりが良くて、でもね、何処か歪んだ陰が見えるの」



御託を並べられても決心を変える気は無かったが、俺は次の言葉を聞いて溜まらず重い口を開いた。



「無価値観なのよ」




「無価値観?」




「あなた、弁護士にならなくちゃ自分の価値は無いって思ってない?」



「え?」




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悪魔の技術 ©著者:蜜々宝貝

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