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18章:京(みやこ) (1/18)

18章:京(みやこ)

「だったら、何が真実だと思うの?」


京(みやこ)の上品な唇が、貴章を突き放した。



ーーーーーー


〜あどけない話〜



智恵子は東京に空が無いといふ。


ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。


智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。



あどけない空の話である。




※高村光太郎
詩人・画家・彫刻家
1883年- 1956年
「智恵子抄」より


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愛ヲ乞ウーー遺された心 ©著者:七斗

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