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15章:エリー別離 Ⅱ (2/19)

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公判では、検察官が修に問い直した。


「ーー沙也加さんが、“頑張り過ぎていた”とは?」


修は声を弱め、眼を閉じる。
記憶を呼び戻しているのか。


「……沙也加は一人っ子です。先ほども申し上げました通り、妻が脆弱(ぜいじゃく)でしたので……期待のプレッシャーを掛けたつもりは無かったのですが、私たちを喜ばせたくて、キャパシティ以上に頑張り過ぎたのではと……勉強も就職も。結婚に関してもかも知れません……」


ゆっくりと言葉を選んで続ける。


「その並行が崩れて、今回の事件につながったのかも知れないと……少し考えるようになりました」


「娘さんのことについて思い出すことはありますか?」


「……はい」


「どんなことを思い出すのですか」


涙が潤んだまま、拭おうともせず、はらりと証言台に落ちた。



「ーー全てです! 生まれてから、命を落とすまで! その一分一秒、全てに思い出があります……慈しみ……愛して育てた娘ですから」


「奥様のお気持ちはどうでしょう」


「……妻は、『沙也加の笑顔が忘れられない』と……家族の絆は深かったと自負しています」


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愛ヲ乞ウーー遺された心 ©著者:七斗

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