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13章:エリー抗命 (1/27)

13章:エリー抗命

「俺、好きな女がいるんだよ……」


陽治(ようじ)が眼を細めて話してくれた。


「ーー貴章、なぁ。幸せってなんだと思う?」


ーーーーーー


〜くさつた蛤(はまぐり)〜



半身は砂のなかにうもれてゐて、


それで居てべろべろ舌を出して居る。


この軟体動物のあたまの上には、


砂利や潮(しほ)みづが、ざら、ざら、ざら、ざら流れてゐる、


ながれてゐる、


ああ夢のやうにしづかにもながれてゐる。


ながれてゆく砂と砂との隙間から、


蛤はまた舌べろをちらちらと赤くもえいづる、


この蛤は非常に憔悴(やつ)れてゐるのである。


みればぐにやぐにやした内臓がくさりかかつて居るらしい、


それゆえ哀しげな晩かたになると、


青ざめた海岸に坐つてゐて、


ちら、ちら、ちら、ちらとくさつた息をするのですよ。




※「萩原朔太郎」(はぎわら さくたろう)1886-1942.詩人
『月に吠える』より

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愛ヲ乞ウーー遺された心 ©著者:七斗

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