ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

12章:真子。そしてエリ。 (1/22)

12章:真子。そしてエリ。

「……あなたによく似た男を知ってるよ」


カウンター越しに、真子が日本酒を注いだ。



「同じ瞳の色をしている」



ーーーーーー 
  

〜 殺人事件 〜


とほい(遠い)空でぴすとるが鳴る。
 
またぴすとるが鳴る。
 

ああ私の探偵は玻璃の衣裳をきて、
 
こひびと(恋人)の窓からしのびこむ、
 
床は晶玉、
 
ゆびとゆびとのあひだ(間)から、
 
まつさお(真っ青)の血がながれてゐる、
 

かなしい女の屍體(しろう)のうえで、
 
つめたいきりぎりすが鳴いてゐる。


しもつき上旬(はじめ)のある朝、
 

探偵は玻璃の衣裳をきて、
     
街の十字巷路(よつつじ)を曲つた。
 

十字巷路に秋のふんすゐ、
 
はやひとり探偵はうれひ(うれい)をかんず。

 
みよ、遠いさびしい大理石の歩道を、


曲者(くせもの)はいつさん(一散)にすべつてゆく。




「萩原朔太郎」(はぎわら さくたろう)1886-1942.詩人
『月に吠える』より



※転載ー(著作権は1983年に消滅)

156 /466

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

愛ヲ乞ウーー遺された心 ©著者:七斗

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.