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5章:郁子ー野花のように。 (11/11)

ふとシーツを見ると、真っ赤な鮮血が印されていた。


「郁ちゃん……初めてだったの……?」


思わず振り返り彼女を見る。まさか処女だったとは……。
郁子は恥ずかしそうに枕で顔を隠した。
顔を隠した枕を押しやり、もう一度、優しいキスをした。


郁子への感情は自分でもわからない……。
もはや、“ひとを愛す”という感情の引き出しは、貴章からは失われているのだ。


ホテルを出て歩いていると幸せいっぱいな顔をした郁子が腕を組み、体を寄せてきた。


「貴章さんの彼女……と思っていいの?」


下を向き、自信なさげに貴章の指に細い指を絡ませる。


「あぁ、付き合おうな」


また思ってもいない言葉が口から出た。心と言葉が正比例されていない。


「仕事が終わったら、毎日部屋に来いよ」


嬉しそうにうなずき、絡んだ指がしなやかに躍った。



郁子がもし妊娠し、郁子が望むならーー結婚してもいい。郁子なら……俺の手の中にずっと居てくれるだろう。




ーーずっと居てくれるだろう。



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愛ヲ乞ウーー遺された心 ©著者:七斗

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