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5章:崩れ落ちる偶像 (8/8)

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裕二は健太の部屋で、これまでの彼に想いを重ねた。


小学生の時、グラウンドを去って行った寂しそうな背中、中学生の時、たまに登校すると懐かしそうに話しかけてきた笑顔。


テレビボード下の引き出しを開ける。一段目には、ボール紙で仕切り枠を作り、光熱費の領収書や文房具などがきっちりと仕分されて入っていた。

二段目を開けると、ベージュ色の小さな封筒。貴金属店の名前が印刷されてある。


中に折り畳まれて入っていたのは指輪の領収書だ。


遺体の枕元にはーープラチナ台の小さなダイヤの“指輪”が遺されたままになっていたのだ。


様々な裏付け捜査で、健太が半年程、金沢で働いていた事実が判明していた。


(ーーお前は、出稼ぎから戻り、この指輪を買って……そして被害者に届けた。そこで何があった? “やっと自分の『揺り籠』で眠ることが出来る”。そう信じて帰って来た。そうだろう?)


裕二は、今やただ、虚しいだけの紙切れとなった領収書を手にとった。

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逃亡犯ー黎明(前編) ©著者:七斗

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