ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

4章:夢の扉 (2/7)

※※※※※

俺は、裕二と久しぶりに話して、何だか気持ちが楽になった。


ーー夢や希望を持つと……

叶わなかったり、裏切られた時の苦しみは凄まじい……それを二度ど味わいたく無かった。だから知らずの内に避けていたんだ。


ーーもう一度、怖がらずに進んでみようか。


改札で裕二と別れてホームに降りた。もう夜11時を回っている。次の電車が来るまで15分もあった。
ホロ酔いの身体をベンチに投げ出して、沙也加にメールを打つ。


ホームに降りる階段から、賑やかな話し声が聞こえて……野球バッグを肩に掛けた高校生の一群が現れた。


こんな遅くまで練習をしているのか。これじゃあ帰って寝るだけだな。

眩しい思いで集団を見る。



「つかあさぁ! 監督、鬼じゃね? これで明日の朝も7時から朝練だって! 死ぬし」

「マジに甲子園狙ってるよな。けど、夢じゃないかも。な、内野!」


少年達は健太の方へ歩いて来てた。

『市立矢那橋』(いちりつやなはし)と校名の刺繍が入ったカバンを、どかどかと反対側のベンチに降ろす。


「そうだよ、とにかくこの冬は走りまくって足腰を作ってくれ。お前にかかっている」


俺はそっと後ろを向いたーー『内野(うちの)』と呼ばれた背の高い少年が、恥ずかしそうに笑っている。


「うん! とにかくチームの役に立てるように頑張るよ」

「左腕の140キロだもんな! それとキレ抜群のスライダー! “僕を甲子園に連れてって〜”」

「ばぁか」

一人がおどけて皆が笑った。

ネックウォーマーに顔を半分埋めた内野の眼が優しい。

40 /86

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

逃亡犯ー黎明(前編) ©著者:七斗

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.