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16章:無欠
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さよのラインはあれから止んだ。
次の店休にデートで補うしかない。
休む暇ないってきついな。
俺は身支度を整え、まだ病院から戻らないチカに電話を入れた。
電源入ってないじゃん!
チカが帰って来てまた一人にさせるのは、可哀想だけど、今日は理由話してチカに分かって貰おうと思った。
さて、エリカさんの待ち合わせにそろそろ出ないとな。
そう思った矢先、鍵を空ける音がした。
「優馬ーただいまー!」
タイミング悪?
早く出れば良かった?
なんて思う俺も性格悪いよな。
チカは、スーパーの袋を両手にもって食材をたくさん買い込んでる様子。
「チカ、重かっただろ?どうした?買い物してきたのか。」
「うん!今日は優馬にお礼したくて昨日のお礼!だからイタリアンにチャレンジしようと思って。なんだか調味料だけでもたくさんになっちゃったー。」
「チカ、ごめん…今日さ、」
「優馬、夕ごはん一緒に食べれないの?」
「実は、俺今日さ、店無断欠勤しちゃっ……」
「えーーほんと?ーごめん優馬ー起こしたんだけど。」
「チカが悪いわけじゃないから。それより、ごめん。こんな時に一緒に居れなくて。」
「いいよ、大丈夫。優馬が帰って来てから一緒に食べるし。」
…非常にいいずれー。
チカ病み上がり出し。
「それがさ、無断欠勤したから、先輩の寮に呼ばれてこれから説教だよ。ペナルティだから、みんなの分の寿司買って来いよとか言われたし。」
「優馬大丈夫なの?何かされない?」
「大丈夫、大丈夫。行けばなんとかなるだろうし、きっと説教って言いながらさ、先輩達と麻雀やるだけだよ。」
悲しそうなチカ。
嘘つきな俺。
「分かった。優馬気をつけてね。」
そういうとチカは玄関まで嘘つきの俺を見送ってくれた。
「優馬、これでお寿司買って行きな。」
ありがとうチカ。
俺は、三体の諭吉と共に、寮ならぬ、Bar へと向かった。
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