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15章:ひとつ屋根の下 (12/13)


久しぶりに見た光景。


懐かしいな。
当時とぜんぜん変わってない。


「桜の花の向こうには〜♪きらめき続く♪・・・」


チカが校歌を歌い始めてる。


俺も口ずさむ。
なんだかんだ覚えてる。


なんだかんだ俺らの高校の校歌っていいな。


俺はチカと校庭の藤棚の椅子に座りながら校歌を熱唱してみた。



「優馬、サッカーグランド行って見ない?」


俺はサッカー部に所属していた。


チカ知ってたんだ?


サッカー部もしんどくて所属してただけでレギュラーになった事はなかったけど、チカが知ってたのには驚いた。


「おーー。懐かしい。俺のホーム!!」


「優馬ー。」


チカはサッカーボールを蹴るふりをしながら俺にパスしてきた。


空気のボール。



俺も思いっきりシュートしたふりしてみた。


「ゴール!!!優馬ー上手ーー!!本田選手みたーい!」



いやいや、俺の左足はそんなに強くねーよ。


笑顔のチカが可愛かった。


「チカ、そろそろ帰ろう。おまえ病み上がりだしな。」


「優馬ー、ずっと一緒に居てくれるの?」


「チカが離れなかったらな。」


俺に抱きついてくるチカ。
ちょっと可愛い。


チカの事守れる自信はないけどこんなにさせちゃったのは俺の責任だからな。




ひとまず、キックオフ。



チカちゃん…。


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本営 ©著者:亀梨一成

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