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11章:Op.3-3 襲う (6/9)

◇◇◇

動物病院の診療台にキャリーケースをそっと置く。

女医が蓋を開けて、ルーを抱き上げた。

ルーはもう平静に戻り、おどおどとした眼で私をじっと見て、べたっと台の上に伏せた。事細かに、獣医に経緯を説明した。


「んー、何でしょうね……そうですか、脱尿に脱糞までしながら襲ったのですか」


女医の説明は、こうだった。
体重も平均で、心音も正常。なんら病気と見られる箇所は無い。

動物が失禁しながら襲う、というのは“命に関わる”と、本能が判断した時。


「襲っている時は、もう頭は真っ白になっていて、あなたを飼い主とは判断出来ていないのですよ」


彼女はルーに優しくタッチしながら続ける。


「例え大学病院で原因を探るべく、脳波の測定をしても、なんら異常はつかめないでしょう。持って生まれた“心の病気”としか診断のしようが無いですね」


「では……これからどう、一緒に暮らしていけば良いのでしょうか」


私は困り果てた。無数の爪痕が、靴の中で疼いている。


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アル物語タチ ©著者:七斗

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