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11章:Op.3-3 襲う
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事情を話すと、彼は唸るルーを誘導して、風呂場に閉じ込めた。
「とにかく、時間をおいて興奮状態から醒めさせないとな」
彼の実家にも猫がいた。けれど、もちろんこんな行動はしない。消毒液で傷を拭い、傷薬を塗って手当をしてくれた。
「俺、今日は車で来たから、ルーが落ち着いたら、病院へ連れて行こう。こんなに襲うのじゃ、怖くてかなわないよな? 何か病気かもしれないよ」
ーー何も、本当に何も思い当たる節が無いのだ。
考えこむ私を横に、彼はパソコンで獣医の休日当番医を探す。
一時間程が経ち、風呂場では“正気”に戻ったルーが、『ここから出してくれ』と、切ない鳴き声を挙げている。
彼が、キャリーケースにルーを入れて、私の手を取った。
「原因を確かめるのは、早い方がいい。病院へ行くよ」
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