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11章:Op.3-3 襲う
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ーー狂った。としか思えない。半透明のリビングドアからルーを窺うと、まだ尻尾を逆立ててウロウロとそこらじゅうの匂いを嗅ぎながら徘徊している。
そして私の顔をガラス越しに認めると、またハァッと威嚇した。
廊下に座り込み、テイッシュで血を拭く。猫の爪には雑菌が多く、赤黒い傷はきりきりとした痛みを伴った。
ーー何がいったいどうしたというのだ。いつもの愛らしい瞳は吊り上がり、ぐうぐうと鳴る唸り声はネコ科の獰猛(どうもう)な野生動物を連想させた。
全く理解が出来なかった。
もうリビングにも戻れず、これからどうしようかと放心状態で考えこむ。
チャイムが鳴り、ようやく立ち上がって玄関ドアを開けた。
「ーーどうしたの? 何があった?」
私は彼の顔をみるなり、ホッとして涙が溢れた。
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