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8章:Op.2-5 樹木葬 (7/7)

実母の全ては無に帰った。


“見せかけの繁栄”や、“眉唾もの功利主義”に彩られた彼女の人生であったとしても、トンネルの向こうにいる私たちが、彼女をどう評価するのか。と言うことは、きっと重要では無く。


一般的なモラルの中では孤立し、モラルと共存することで発生し、摩擦する葛藤から彼女は飛び出した。

自分の生き方を、良しともせず。しかし周りに協調も妥協もせずに――貫き通した。


人間が生きることの弱さや馬鹿馬鹿しさ。人生なんてものの、厭になるほどの不確かさに抗(あがら)いながら『実母なりの人生的に』生きた。



霊園に立ち尽くしながら思いを馳せる。


存在感著しいその香りと棘。表裏を併せ持つ、高貴な薔薇に包まれて眠る実母。


薔薇の回りに清楚に咲く野花のように、なおかつ清廉に清貧を貫いて、強く生きる継母。



そして俺は己を顧みて「さてこそ」と感じる。


どちらも俺の母であるのだ。



さあ、見てごらん。


俺には、どちらの血も流れているではないか。





…Op.② アル母タチノ物語 終…


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アル物語タチ ©著者:七斗

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