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4章:4 (4/4)

「ボク、ウェイティングルームにいるから何かあったら呼んで。」

凛さんはそう一言言うと、カーテンの向こう側へ行ってしまった。
ど、どうしたらいいんだろう…
お店の中で一人取り残された私は、店長さんが来るまでとりあえず調理器具の確認をしようと、キッチンへ向かった。

キッチンはきちんと整頓されていて、調理器具も揃っているようだった。

「やること無いなあ…」

本来なら仕込みの作業に入るべきなんだけれど、初日で何を作るのかすら聞いていないので動きようがない。

とりあえすエプロンだけはつけて、ガスレンジの前にあった小さな椅子に座る。

完全に手持無沙汰になった私は、さっき凛さんに言われた『ホストクラブ』の事を思い出した。

((何で男しかいないホストクラブで働こうと思ったの?って聞いてるんだよ))

ホストクラブって何だろう。
男しかいないってどういうことなのかな…
やっぱり私、世間知らず?

色んな事が頭をぐるぐるする。

とりあえず調べてみよう…

そうして、私はスマホの検索欄に「ホストクラブ」と入力した。

「ホストクラブは、男性従業員(ホスト)が女性客の隣に座って接待をする日本の飲酒店。」

…ここって、踊るところじゃないの?
!?!?
隣に座って接待?
何か、ずいぶんとイメージが違うような…。

確かに、踊るようなスペースは無かったけど。
私は何か盛大な勘違いをしたままここで働くことになってしまったようだ。

「店長さん…説明してよ…。」

私の呟きは、キッチンに空しく響くだけだった。
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体温の熱量 ©著者:シンドバット

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