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2章:4分45秒前
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たかが5分、されど5分。
時間が無いので床についたローションを流しきるのは無理だと思い、チャッチャと済ませる事に決めた。
湯船にお湯を張りながらスポンジマットを洗い場に敷き、その上にくぐり椅子とミニタオルを重ねる。
簡易寝台は上から広げたバスタオルを重ねて乱れを覆い隠す。
“前客の存在を感じさせないこと”
それが私の思う最低限の準備だった。
タオルで体を拭くのもそこそこに、ブラの中に小振りながら大事な商売道具を押しこみ、ワンピースを履きながら部屋の最終チェックをする。
「ローションあるね?
タオルもOK、寝台よし。
イソジンにグリンス。
アレも…あるある。」
足ふきマットの乱れを直しながら鏡をチラッと見て化粧崩れがそんなでもないことを確認する。
化粧崩れを直している暇はない。
が、まだイケるレベルである。
ピルルルルルル…
また催促の電話。
いつもより間隔が短い。
「判ったっつーの!」
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