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29章:魔法の力
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この頃、スーパー高校生ブームであった。
私はeggやポップティーンなど、高校生向けのファッション紙を読み漁った。
読者モデルに憧れ、日サロで肌を焼き、109でお買い物。
高校デビューというやつだ。
私が入学した学校は世田谷にあり、中等部もある、いわゆるお嬢様学校だった。(そんな学校だとは入学するまで知らなかった。)
そんな裕福な生徒達の仲に、場違いな家庭環境の私がいた。
仲の良い友達は、
『今度の中間テストの結果が良かったら、親にヴィトンのバッグを買ってもらえるんだぁ』
なんて言っていた。
私は笑って聞いているしかなかった。
こんな時ばかりは、入る学校間違えたかな〜なんて思っていた。
それでも負けず嫌いな私は、姉からのお金でポケベルを持ち、流行っていた『たまごっち』を持ち、なんとかそんな友人達と同じ土俵に立っているように見せていた。
うちも裕福で恵まれた家庭なのだと。
そんな高1のある日、姉からの仕送りが突然途絶えていることに気付いた。
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