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21章:マラソン大会
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21章:マラソン大会
季節は秋だった。
中学二年になり新しい学校に転入して、その春に事件が起きて、ひたすら過食して太り、ひたすら嘔吐していたら、もう秋だった。
学校の先生達は家の事情を知っていたから、私には目に見えて甘かった。
それを良いことに、相変わらずズル休みを繰り返していた。
夏休みはずっと家にいた。
施設でいつも周りに友人が居た事が夢だった様に感じた。その位一人でいた。
秋はマラソン大会がある。前の学校で私が駅伝を走っていたことを皆知っていた。
転入初日に担任の体育教師が皆に話したからだ。
その為、私はマラソン大会をプレッシャーに感じていた。
友人達が、
『ネコチャンて足が速いんだよね!』と更にプレッシャーをかけてきていた。
私は内心、一時期激太りしたのを見たくせに、イヤミかっ。
と思っていた。
嘔吐し始めた事で随分痩せたが、私の体はまだ長距離選手の体ではなかった。
それでもマラソン大会は休まなかった。
結果はひどいものだったけど、現実の自分と向き合えた気がした。
参加して良かった。
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