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13章:帰る場所 (1/1)

13章:帰る場所

私は期待でドキドキしながら、母が学園に電話をかけるのを見ていた。

母が電話で事情を説明してくれた。
私はソワソワしながら母の周りをうろついた。

しばらくすると母が私に受話器を渡してきた。
学園の先生と久しぶりに話した。

期待して電話を変わった私が聞いた言葉は、悲しい答えだった。
『ネコチャンはもう学園に帰ってくることは出来ないんだよ。』
私は泣いた。
絶望的だった。
何も言えなかった。
もう学園は私の帰る場所じゃないんだ。

この時、母がヒステリックな事や守田のオジサンに変な事をされている事を伝える事が出来ていたら、何か変わっただろうか…。

とにかく私は泣いて泣いて、泣き止んだら現実を受け止めるしかなかった。

私はこの母と生きていくのだ。親が居るだけ恵まれているではないか。
学園の子は、親さえいない子もいたんだ、と自分に言い聞かせ、奮い立たせた。
母は精神科にかかっていた。何度か病院にも着いて行ったのを覚えている。
それが精神科と気付くのは私が二十歳を越えてからになるが。

母は布団の中で優しかった。ただ日中は突然ヒステリックに怒鳴り散らす事が多かったのだ。

小さい私は、なにが何だかわからなかった。
お化粧が上手くいかないとか、そんな時に私に怒鳴り散らし、下半身はパンツを脱がせて玄関の外に立たされたりしていた。

疎ましく感じた事もある姉に、早く帰国してほしかった。

引っ越し先のマンションでは、夜の仕事も始め、私に構わなくなっていった。

私は新しい土地に友達もいなかった為、家でひたすら母の帰りを待った。
ご飯の用意など無かったから、冷蔵庫の中のソースを舐めて空腹を紛らわせた。
母はダイエットの為、殆ど家に食べ物を置かなくなっていたのだ。

ある日母が大きなスイカを買ってきた。
私は喜んで食べたが、向かいの母は、スイカを口に含むと水分だけ取り、スプーンにカスを取り捨てていた。
想えば母も摂食障害だったのだ。
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私が精神障害者になるまで ©著者:ネコ

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