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3章:施設-3
母親は、いつも派手なスーツに化粧・高級車の部類に入る車で私達を迎えにきた。
また、定期的に車を買い替え新車で迎えに来ていた為、一部の先生は母親を良く思っていなかったようだ。
ただでさえ、月に二度も外泊の迎えに来る親は他にいなかった。
中には両親を亡くしている子供や、今でいう育児放棄だったのか、一年に一度も会いに来ない親がほとんどだった。
その為、私達姉妹は学園の先生方から時に差別的扱いをされたり、嫌味を言われたりしていた。
『ネコちゃんのお母さんはいつも派手ねぇ。本当に困ってるのかしら。』
職員の先生方は皆、毎日化粧もせずトレーナーにジーンズ姿、学園に住み、若い女性が多かった様に思う。
そんな先生方が母親を見て、そんな感想を抱くのも当たり前だったのかもしれない。
私がいた幼稚舎では、同い年のえみちゃん、あっちゃん(男の子)には布団を敷いてあげるのだが、私には自分で布団を敷きなさいと言われたりしていた。
幼い私が大きなシーツを綺麗にセットするのは大変だったが、先生に見張られていた為、必死に用意したのを覚えている。
こんな理不尽な扱いに気付いたのは、幼稚園に上がった頃だった。
幼稚園に上がってからは担当の先生が変わったのだ。
とても厳しく、いつも怯えていた。
今なら有り得ない話なのかもしれないが、その先生に度々お尻をぶたれたりしていた。
勿論私だけだ。
暗い部屋に連れていかれ、ズボンとパンツを降ろしたお尻をバシバシと叩いた。
『ネコちゃんはしょっちゅうお母さんが迎えに来てくれているから 、それを見たえみちゃんとあっちゃんが悲しい思いをするんだ』
私はこの先生が本当に恐かったし、大嫌いだった。
だが、誰かに言えば更にぶたれる気がして、誰にも言わなかった。
その頃の私は人見知りが激しく、暗い子供だった。
その為、幼稚園ではあまり良い記憶がない。
クラスも、えみちゃん・あっちゃんと離れていた。
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