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3章:純のお家 (1/3)

3章:純のお家

職人さんと事務員さんと営業マンの方々、計15名くらいの従業員を雇っていたお父ちゃんは社長


お母ちゃんは経理


お金の管理だけがお母ちゃんの仕事ではない


お母ちゃんの兄弟に市会議院がいるから市の倉庫管理や品の発注にしろ経理以外の仕事も熟す仕事人だ




お父ちゃんは多忙な人だった
出張が多い


有名政治家に商品を買って貰うため仕事に出かけて行く


高速道路のサービスエリアでいつもお土産を買ってきてくれていた

お菓子箱が食卓の端に重ねて置いてあった



一番上のお姉ちゃんは地元でNo.1の県立高校を目指して毎日勉強ばかりしている


二番目のお姉ちゃんは中学に入ってすぐに塾に行き出した。陸上部と両立するって言ってたけど大丈夫かな??



そして一番下の妹は純と同じ小学校の一年生


名前は裕美。二人のお姉ちゃんとは年が離れている分、裕美は純と一緒に居ることが多かった。



お父ちゃんの買って来てくれたお菓子箱を巡り裕美との奮闘戦が始まる





「もお!!また喧嘩してる!!純ちゃんはお姉ちゃんなんだから裕美に少しは譲ってあげなさい!!!」



お母ちゃんいつも忠実だ


お利口さんなことしたら誉めてくれるし


姉妹喧嘩したら両方悪いと叱った


ごめんなさいと謝罪したら頭を撫でながら宥めてくれる



お父ちゃんは出張族だから家に帰ってくるのは週に3日くらいだったし


葉子お姉ちゃんは晩御飯を食べたらすぐに自分の部屋に帰って受験勉強だし


律子お姉ちゃんは塾に行ってるけど毎日帰りが遅いし純と裕美が寝静まった後にしか帰宅しないから顔合わせることなんか朝と土曜日の夜と日曜日だけ



小学校五年生の頃の記憶と、その頃の家族の記憶を思い出していた




そして長年親友でいてくれた水口亮子のことも

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稲森純子の生涯 ©著者:マライア

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