8章:★Op.③【虚ろいと真実の時】 (2/16)

『終わり良ければ全て良し』


それが、私の仕事をして来た経験から学んだ事。

しかし、4年越しの仕事の、まさしく最後でミスをした。だがそのお陰で、きっと永く心に残るであろう出来事を経験したのだ。


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ある現場で知り合った女社長、江端美玲(えばた みれい)は、マスコミを相手に手広く事業を展開している。年の頃は40歳代後半であろうか。


民放の連続ドラマや、二時間ドラマ枠の総合スタイリストであり、衣裳アドバイザー。他にも、数名中堅の俳優をプロダクションから預かり、マネージメントを引き受けている。


イベントのプロデュースもするし、芝居の企画にも携わる。

少々強引ではあるのだが、くじけぬメンタルと、新規の仕事を掴み取るパイオニアとしての手腕には舌を巻く。


そんな江端と私は、あるイベントの現場で知り合った。
こちらの立場は制作会社のアシスタントディレクター、いわゆる“何でもやります下働き”だ。