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94章:心に開いた穴 (1/3)

94章:心に開いた穴

浴衣祭りが大成功のうちに終わり、仕事に対する姿勢や意気込みは変わった。



でも家に居る時は、あちらこちらにブンの思い出ばかり。

泣くつもりなどないのに、勝手に涙が流れてきてしまう。

仕事以外の時の私のテンションは、頑張らなきゃと思えば思うほど、上がらずにいた。


お盆休みに入り、私は昼職もスナックも休み。


ケンジも休みで家に居た。


何をする訳でもなく、一日一日が過ぎていった。



今日でお休みも終わるという日にケンジが、


「出掛けるから支度しろよ」

と言ってきた。



私「何処に?」



ケンジ「家の物とか無くなってるだろ。洗剤やら何やら」



確かに色々足りない物があった。



私達はホームセンターに向かった。



買い物を終え、カートを押しながら歩いていると、ある場所にさしかかった。



ペットコーナーだ…



私は見ないようにし、足早に通り過ぎようとした。




ケンジ「あっ、あの犬可愛いな!ちょっと見てみろよ」


ケンジは私の腕を引っ張った。



〈なんて無神経な人なの…信じられない!〉



私は振り向かず行こうとしたら、


ケンジ「いいから見てみろよ」



更に私の腕を引き寄せた。



ショーケースが幾つもあり、殆どの犬達が眠ってる中、一匹だけ元気に、ケースのガラスを前足でガリガリとしている仔犬が居た。



ケンジが見ろよと言ったのはその犬の事だった。


私は思わず犬の動向に目を向けてしまった。



ケンジが手を犬の顔の前に見せると、その手の動きを一生懸命追いかけていた。


ケースの端まで手を動かすと一緒になってくっついてきて、 頭を『コン』と隅っこにぶつけていた。


私は思わず笑ってしまった。



ケンジ「こいつバかだな。でも面白いヤツ」



そんな事をやっていたら店員さんが寄ってきた。


「抱っこしてみますか?」



〈エッ?駄目駄目!〉


私「いえ、お父さんもう行こ…」



ケンジ「抱けるんだ!じゃあちょっと抱かせてもらおうかな」



ケンジは私の言葉を遮った。



店員さんは鍵を開け、中から仔犬を取り出しケンジに渡した。


ケンジ「可愛いな!お前も抱いてみろ」


私「私はいい、いい…」



断ってるのに私に無理矢理渡してきた。



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軌跡 ©著者:コロン

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