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77章:独立
キャバクラとスナックを掛け持ちして働いている亜里紗の私生活は、だらしないものだった…
私は昼職をずっと続けていたので、私が家を出てからの亜里紗と花梨の様子は、把握していなかった…
私が昼職を終え買い物などをして帰ってくるのが3時頃。
その頃亜里紗はゴロゴロしていたが、私が尋ねると
「丁度昼寝の時間だから…」
などと言っていたので、それまではちゃんと花梨の世話をしていると思っていた…
ある日、たまたまケンジの仕事が家の近くの現場だったので、お昼を家で食べようと思い亜里紗に電話をした…
亜里紗は出なかった…
ケンジはとりあえず家に帰って来た…
玄関の前まで来たら花梨の泣き声が聞こえた…
ケンジが家に入ると、花梨が冷蔵庫を開けっぱなしでお菓子の袋をむさぼっていた。
花梨「ジジ…」
花梨はケンジに飛びついてきた…
ケンジ「ママは?」
花梨「ママねんね…」
ケンジは亜里紗を見に行った…
布団の中で寝息を立てた亜里紗を見て、ケンジは亜里紗を叩き起こした。
ケンジ「おい、何時だと思ってるんだ!起きろよ!」
亜里紗はビックリして
「何でお父さん居るの!」
ケンジ「居たっていいだろ。それよりお前何やってんだ!花梨の面倒ちゃんとみろよ!お腹空かせて冷蔵庫開けてたぞ!」
亜里紗「ちゃんと見てるよ。今たまたま寝てただけ」
ケンジ「花梨、ママは遊んでくれた?」
花梨「ママはずっとねんねしてる…」
亜里紗はムッとした顔をして花梨を見たようだ…
それがケンジには気に入らなかったみたいで、
ケンジ「子育てもちゃんと出来ないなら仕事なんな辞めちまえ!」
亜里紗「ちゃんとやってるから!」
ケンジ「これでちゃんとやってるって言う気か!」
亜里紗「やってるよ!」
ケンジ「お前の感覚はおかしいな!この家に居る限りそんな言い分は通用しないぞ!」
亜里紗「じゃあ出てく」
ケンジ「ああ、出てけ!」
売り言葉に買い言葉だったのだろうが、亜里紗は家を出ると言って物件を探し出した…
ケンジに止めるように言ってくれと頼んだが、ケンジも一度吐いた唾は飲まないタイプ…
取り合ってはくれなかった…
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