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58章:盗癖
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58章:盗癖
それから暫くの間は穏やかな毎日が続いた…
優香ちゃんは金曜日以外は週5で出勤してる準レギュラーで、もの凄く太いお客様が居る。
そのお客様は仁さんと言い、水曜日と土曜日の週二日は来て、一回の飲食代はいつも五万前後。
単純計算で1ヶ月40万は使っている事になる…
キャバクラならともかく、スナックに一人で来てそれだけ使えるお客様はなかなか居ない。
ボトルはどの女の子が座っても飲める物があるようにと、焼酎からウィスキー、ブランデーにと何本も入れている。
優香ちゃんはビール党なので、入ってるボトル以外にビールを戴く。
おつまみも必ず3〜4品は取り、ほとんどオープンラストで居るので、売上も上がる訳だ。
たまにシャンパンも入れてくれて、シャンパンを入れた時の会計は10万以上いった事もある…
かなりの上客だ。
仁さんは仕事の都合で土曜日来れない時もあるらしく、
「そういう時は本当は金曜日来たいんだけどね…」
と言っていた…
私「そうか…金曜日は優香ちゃんがお休みだから来ても意味ないもんね」
仁さん「優香は金曜日何してるって訳じゃないんだよ。たまに食事にも行ったりするし…」
〈そうなんだ…〉
私は金曜日は優香ちゃんの都合で出勤出来ないのだと思ってた…
仁さん「まあ俺は外で優香と二人で会えればそっちの方がいいけど、此処で使ってやってナンボだからな…」
なんていい人だ…
お客様の鏡のような仁さん…
さすがに平日に二回来るのは厳しいから、土曜日来れない時は週1の来店になってしまうと言う…
まあそういう時は次に来た時に来れなかった日の分を使っていってくれるという、今時本当に貴重なお客様だ…
私はママに言った。
「優香ちゃん金曜日出てもらった方がいいのでは?」
ママ「それについては色々あるのよ…琴美ちゃん、明日ランチしない?」
私「はい…」
ママ「明日話すわね…」
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