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11章:中絶
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11章:中絶
病院に着き、分娩控え室のような部屋に案内された。
何の点滴だか分からないが腕には点滴をされた。
出産経験もなく中絶経験もない私は、子宮口を開く為の器具を入れられた。
時折聞こえる赤ちゃんの泣き声を、私は耳を塞ぎたい思いで聞いていた…
〈赤ちゃんごめんね…産まれてきたかっただろうに…本当にごめんね…〉
私はお腹に手を当てて何度も何度も謝った…
ケンジはずっと手を握っていてくれた…
どれくらい経っただろう…
看護婦「そろそろ手術室に移りますね」
そう言われてハッとした。
いつの間にか眠ってしまったようだ。
ケンジは心配そうに私を見ている…
私「大丈夫だよ…」
ケンジ「ごめんな…」
私「行ってくるね…」
私は手術室に入った…
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