9章:Ⅸ (23/24)

「なんか大和さん、指名替えを考えてるみたいだよ…？」

「えっ…？」



「さっき凛ちゃんがお手洗いに行ってる間に言われたの…。凛はいつまで経っても付き合ってくれないし、最近他に良い女見つけたからそっちに乗り換えようかな、って。」



私の言葉が信じられないといった様子の凛。

それもそうだろうな、さっきまであんなに仲良くしてたのに。



「そんな….大和さんに限って……。」

「それでね、帰りに告白してOKもらえなかったら、もう凛ちゃんを指名するのは辞めるって…。」

「そうなんですね…。」


明らかに動揺が隠せていない様子。

さっきからグラスを持ったり置いたりを繰り返している。



「大和さん、結構太いお客さんなの？」

「はい、今のところ一番お金使ってくれているんですよね。だから切れちゃうのはマズイな……。」

「じゃあさ、もう色恋するしかないよねー…。」

「そう、ですね…。大和さん明らかにヤクザだし、後々面倒になるのは嫌だったから、付き合うのは避けたかったんですよね…。」

「うんうん。あ、私がこの話をしたのは、大和さんには内緒ね？」

「はい、わかりました！」