5章:Ⅴ (2/27)

花と2人きりで会った日。

あれからも、変わらず悠也の働く美容院に行っていた。

一つ変わったことと言えば、やたらと凛と会うようになったぐらい。



「雅さーん！今日も会えましたね！」



嬉しそうに隣の席に腰をおろす凛。

私にとっては〝会えた〟ではなく〝会ってしまった〟というのが正しい表現だ。



鏡越しに見えた花の顔は、明らかに複雑そうな表情をしている。

凛も悠也を狙っていると教えたからだろう。


実際は狙っているどころの話ではなく、もう悠也と身体の関係を持ってしまっているけど。