2章:Ⅱ (3/23)

禿げた頭に脂ぎった顔。

無駄に蓄えた贅肉。



醜い。

さっきまで悠也を見ていたからなのか、余計に醜く感じる。



「雅ちゃんは今日も可愛いなぁ〜」


必ず毎回一言目にそう言う禿げオヤジ。

ウィンナーみたいに太い指に握られているせいか、シャンパングラスが小さく見える。


「村上さんの為に可愛くなれるように頑張ってるんだよ♪」


私の言葉に頬を紅く染める禿げ。

醜い顔が更に醜くなっている。



あー……さっき会ったばかりなのに、もう既に悠也に会いたい。

悠也を眺めて、この男に穢された瞳を浄化しなきゃ。