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「他の所でセットなんかするからだよ?」
半分眠りかけていた私は男の声を合図に瞼を開けた。
それと同時に心地よい水音が蘇ってくる。
「雅、絶対シャンプーの最中で寝るよな。」
と、私の真上で笑う男。
「悠也のシャンプー、最高に気持ち良いんだもん。」
彼の名前は、悠也。
私の担当スタイリスト兼、幼馴染み。
「せっかくセットした髪が数分後には洗い流されてるって知ったら、そのスタイリストさん泣いちゃうよ?」
「仕方ないじゃん、ヘタクソなんだから。」
性格悪い女……そう呟いた悠也に、眉をしかめてみせた。
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